コロナ「重症」基準、国との違いは? 沖縄県は医療行為で判断 「中等症もICU使用」


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沖縄県庁

 県は22日、新型コロナウイルスの重症者数について、国の基準と同じようには集計していなかったと訂正した。国は集中治療室に入った時点で患者を重症者と定めるが、県は人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」が必要な患者を重症者と判断している。中等症の患者でも病院の運用によって集中治療室に入ることもあるとして、県としては従来通り、病床の種類ではなく、病態や医療行為で重症度を分類していく方針という。 

 厚生労働省は新型コロナの患者を「軽症」「中等症」「重症」の3段階に分けている。このうち自力呼吸に支障があり、酸素吸入が必要な状態が中等症に当たる。

 県は国の基準が示される前の4月の段階から、独自の集計システムを使って各病院から報告を受け、患者数や確保可能な病床数を把握してきた。中等症の患者については「軽症」と「重症」の2段階に分類し、それぞれ病床を確保。各病院の確保病床や重症患者の受け入れの程度によって、集中治療室が空床の場合に中等症の患者でも収容する事例があるという。

 医療現場の負荷を量る指標として県の基準は、医療従事者の意見も踏まえていることや、国の基準では結果的に中等症の患者も重症に入ってしまう可能性があることなどから、変更する予定はないという。

 ただ、国基準で算出した場合、重症者用病床占有率は高くなり県民に与える印象は変わる。国基準による重症者数は参考指標として今後も発表を続けるとしているが、誤解を招きかねず、国の基準の問題点について整理することが求められそうだ。