ウーバーイーツ沖縄進出「車社会で果たして‥」 コロナ巣ごもり需要開拓できるか


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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた巣ごもり需要が高まる中、東京など都市部で人気の高い飲食品宅配サービス「ウーバーイーツ」が沖縄に初進出した。

 提携するレストランなどは進出を歓迎する一方で、通常店舗よりも割高な値段設定への懸念や、車社会の沖縄での需要を懐疑的に見る向きもある。

 ただ、国内で勢いのあるウーバーイーツが進出したことで、県内の飲食品宅配業の競争が加速する可能性も出てきた。同業者からは相乗効果を期待する声も上がった。

 感染症の影響を受け、今年4月から飲食デリバリーを始めた「美らEats」によると、事業開始から4カ月あまりで配達件数は1500件を超える。店舗と独自に契約しており、1日の配達件数は平均15件ほどに上るなど、デリバリー需要が県内でも高まりつつあるという。

 同社の小島渉社長はウーバーイーツの進出について「(ウーバーとは)違った客や店舗と提携しているので共存していけるのではないか。デリバリー業が盛り上がり、相乗効果につながってほしい」と受け止める。今後は需要が高いという沖縄市や本部町などへの事業展開も広げる考えだ。

 ウーバーイーツの提携店となった那覇市西のレストラン「ピパ―チキッチン」の池城安信代表は「ウーバーを通じて店舗の存在を知ってもらい、コロナが落ち着いたら店に訪れてほしい」と期待感を示す。同市安里のハンバーガーダイナー「フリップフロップ」の森田翔吾さんも「一回使ってもらい、店を訪れるきっかけになってほしい。無料の広告宣伝費と思っている」と語る。

 ウーバーイーツの提携店舗によると、提携の打診はウーバー側からあった。参加手数料は無料だが、注文された料理の価格のうち35%をウーバーに支払う必要があり、どうしても割高な価格に設定せざるを得ないという。店頭よりも割高な価格に加え、配達料がさらに320円かかる。

 ある提携店は「正直高いし、使う人がいるのかと思う。届いた商品が値段と合わないとして、店にネガティブな印象を持つことにつながる恐れもある」と不安を語った。

 ウーバーイーツを巡っては一部の配達員から労働条件の改善を求める声が上がっているほか、交通マナーへの指摘も相次ぐ。割高ながらも「時間を買う」(提携店)という事業形態の定着に注目が集まる中、多方面で沖縄社会に影響を与える可能性もある。
 (池田哲平)