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甲子園で春夏連覇した興南高校野球部の選手らの高校卒業後などに焦点を当てた本「まかちょーけ 興南 春夏連覇のその後」(集英社文庫)の発売記念トークイベントが6日、那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれた。著者の松永多佳倫さんと春夏連覇時の興南で1番打者だった国吉大陸さんが登壇した。春夏連覇時のエース島袋洋奨投手が大学時代に肩や肘を酷使する状況となったことを踏まえ、大学野球でも将来を見据えて投手を守るルールを作る必要性などについて提言が出た。
トークイベントは「エース島袋洋奨は、なぜ江夏豊になれなかったのか?」と題し、首里高野球部出身のお笑いコンビ「しんとすけ」が進行役を務めた。約50人が来場し、ユーモアたっぷりの掛け合いで笑いに包まれ、興南ナインの裏話などに興味深く聞き入っていた。
同書は島袋投手を取り上げた項目で、中央大2年の当時、春のリーグ戦で3試合に先発し、30回440球を投げるなど腕を酷使し、左ひじにけがを負うなど、大きな影響が出たことも紹介している。
トークイベントで松永さんは「高校野球ばかり球数制限などが取りざたされているが、大学野球にもいろいろと問題がある。盲点になっている。アマチュアの悪しき慣習に才能が閉ざされた」と指摘した。典型例として「指導者の逃げ口上は、投手本人に『行けるか』と聞いていると言う。投手からすると『行ける』と言うに決まっている。『投げられない』とは言わない」と強調した。
国吉さんも「監督は絶対的な面があり、投手もエースの自覚から、投げたい気持ちがあると思う。投手が自主的に『投げたらけがをしてしまう』と言えたらベストだが、現実的には難しいだろう。ルールが必要ではないか」と提言した。