下地島から宇宙へ旅 愛知のPDエアロスペース、宇宙実験機の開発拠点に


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「PDエアロスペース社が開発中の有翼型宇宙往還機のイメージ(提供・PDエアロスペース、小池輝政氏)

 下地島空港から宇宙へ-。宇宙機開発などを手掛けるPDエアロスペース(愛知県)と県は10日、宮古島市の下地島空港と周辺用地の利活用事業実施に向けた基本合意書を締結した。同社は今後、宇宙機の技術実証や実験機の開発拠点として下地島空港を利用する。2025年に年間100人、30年には年間千人の宇宙旅行者を下地島空港から送り出すことを目標としている。

 同社は07年に設立。全日空(ANA)などが出資している。有翼型宇宙往還機による有人宇宙旅行を目標としており、現在は無人の宇宙往還機を開発中で、22年中に高度100キロメートルまで到達することを目指している。

 計画では、スペースシャトルなどの打ち上げ型とは異なり、飛行機のように水平に離陸し、高度15キロからロケットのように垂直方向で上昇する。同社はジェット燃焼とロケット燃焼を切り替えられる独自のエンジンを開発中で、完成すれば着陸の際にもエンジンを再点火して飛行機のように安全に着陸ができるようになるという。

 3千メートルの滑走路があり、気候的にも年間を通じて飛行試験ができる下地島空港が適していると判断した。宇宙旅行者向けの訓練事業や、飛行実験などを見せる観光事業も展開する。【琉球新報電子版】