八重瀬の沖縄戦、史料で紹介 町教育委員会が企画展 大分で学童疎開の調査も


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具志頭国民学校の児童が疎開した大分県の地図を指し示す新垣有一郎さん=11日、八重瀬町の具志頭歴史民俗資料館

 【八重瀬】沖縄県八重瀬町教育委員会は戦後75年平和企画展「史料から見る八重瀬の沖縄戦」を15日から、町具志頭歴史民俗資料館で開催する。入場無料で27日まで。学童疎開や八重瀬町に駐屯していた旧日本軍の生活が記された陣中日誌などを展示する。

 担当者の新垣有一郎主事は「証言者が減少していく中、疎開の歴史などについて多くの町民に知ってほしい」と来館を呼び掛けた。

 2019年度の一括交付金事業の一環で「八重瀬の沖縄戦史料収集調査事業」が昨年から始まった。新垣さんは大分県に疎開した具志頭国民学校について現地調査を実施。防衛省防衛研究所史料閲覧室にある陣中日誌から八重瀬町に関する記述を探した。今回の企画展はその史料収集調査の「集大成」となっている。6月の慰霊の日前に開催予定だったが、県内での新型コロナウイルス感染拡大を受け延期となっていた。

 疎開体験者の証言や、当時の児童の卒業証書番号録の写し、八重瀬町に駐屯した第24師団歩兵第89連隊の配置図などが展示されている。

 町教育委員会はコロナ対策として来館者に入り口で検温・消毒を実施し、マスクの着用を呼び掛けている。23日の休館日以外は午前9時~午後5時(最終受付は午後4時半)まで。