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【対談全文】GACKT×玉城知事(後編) 今明かす「本部高ブラバン部員への恩返し」 凱旋公演を沖縄で


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県の玉城デニー知事と県出身のアーティストGACKTさんが9月18日、オンラインで初めて対談。沖縄への思いや秘話を披露してくれた対談全文の後編です。

オンラインの画面越しに笑い合う玉城デニー知事(左)とGACKTさん=18日、沖縄県庁

■21年前、本部高の裏に半年…

 GACKT:何と言うんですかね、「沖縄が愛されている」ということを表したのが今回のことだったと思うんです。なので、沖縄の方たちも前を向いて頑張って頂ければなというのが正直今回沖縄に帰って思いました。ほとんど観光客の方がいないような状況で、いろいろな場所を回ったんですけど、今回のこのコロナの影響を受けてずいぶん大変だという声をたくさん聞いたんですよね。少しでも何か自分にできることがあるのかということで、今回たまたまテレビの企画もそうやって地元の方たちに還元して喜んでもらおうという趣旨だったのでお仕事受けさせてもらいました。

 それでいろんな方たちとお会いしてお話を聞く機会を頂いたんですけど、現実は本当に大変なんだなということをあらためて認識しました。でも暗くなってもしょうがないので、笑顔で進んでいきたいなと思っています。

 玉城:そうですね。そういえば、今回番組の企画でいろいろ買い物をされる、しかも爆買いをされる、というのを聞いたんですけど、沖縄でどういうのを買われたんですか?ウチナーンチュとして何を買うのか迷ったんではないかなと思ったんですけど。

 GACKT:そうですね。今回は「恩返しをする」という企画だったので、自分にゆかりのある場所に行ってゆかりのある方たちと会って、その方たちに恩返しをしていくという流れだったんですけど。1番は僕26歳の時にソロになっているんですけど、26歳の時にちょうど半年間、本部町にずっと滞在していたんですよ。
 

GACKTさんとのオンライン対談で「仕事より緊張する」と笑顔の玉城デニー知事

 玉城:へえー、本部ですか。

 GACKT:はい。ちょうど本部高校の裏にずっと滞在していてですね。本部高校のブラスバンドをやっている子たちの頑張っている姿を見て、毎日毎日励まされていたんですよね。なので今回、本部高校のブラスバンドの子たちに、今からちょうど21年前ですか。もちろんその方たちは学校にはいなかったんですけど、その後輩にあたるブラスバンドの子たちと少し話をしてですね、彼ら彼女たちに何かできないかということで少しプレゼントをさせていただいたりとか。はい。

 あと、那覇市の市場に行って少し歩かせてもらったんですけど、お店の方たちといろいろ話をさせていただいて、ほとんどもうお客様がいないような状況だったので、買えるものは全部買おうと。

 玉城:ありがとうございます!

 GACKT:そのとき、台風が直撃だったんですよ。

 玉城:そうですね、8月25日ですから、台風が来る直前だったんじゃないですか?大丈夫でしたか?

 GACKT:僕は慣れているので、あまりそこには心配はしていなかったんですけども、ロケのスタッフは非常に大変だったのではないかなと。大雨と風が強い中でやっていたので、僕にとっても一つの思い出になったかなと。

 玉城:はい。今年の沖縄は8月31日から9月2日まで沖縄の旧盆で、まず台風が来たということと、もう一つ新型コロナがあって緊急事態宣言を延長していたさなかだったんですね。ですから本当にいつもの年とは違うお盆で。僕の実家は沖縄市にあるんですが、エイサーも地域によっては人数を少なくして回ったりとか、あるいは軽トラックにスピーカーを積んで音楽、音だけ流して地域を回ったりとか、今年はいつもと違うそういう沖縄のお盆の表情でした。

 GACKT:本当に、今回その台風が直撃だったこともあって、ロケをやるのかやらないのかみたいな話もあったんですけど、無理をしてでも沖縄に帰ってよかったなと思いました。こういう状況だからこそだと思うんですけど、実際にどんな現状になっているのかも目の当たりにして、やっぱり自分たちができることをやっていかなければという気持ちにあらためてさせられましたし。一人のウチナーンチュとしてこれからもやれることをきちっとやっていきたいなと思いました。

■念願だった「オリオンビール」CM出演

首里城火災復旧復興支援の寄付金の目録を贈呈のため沖縄県庁を訪れたGACKTさん=8月25日午後(喜瀬守昭撮影)

 玉城:先日違う番組ですけど、非常にストイックに体を鍛えてらっしゃる、生活を律していらっしゃる姿を見て、本当にびっくりしましたけど、沖縄にいてもどこにいても、そういうウチナーンチュという気持ちで、ウチナーに何か恩返ししたいなとか、ウチナーンチュのみんなが何か喜んでくれたらいいなという気持ちというのは、テレビを見ていても、そのストイックさの中に一つのウチナーンチュという、なんというか頑固っぽさがあってですね、ああ素晴らしいなと思いました。うちのかみさんと見ながら、ああでもない、こうでもないといいながら楽しませていただきました。これからもぜひ、夢を体で表現するアーティストの側ですから、ぜひ体調にも気をつけていただいて、パーフェクトなライブツアーを続けていけるよう頑張って下さい。本当に心から応援しています。

 GACKT:ありがとうございます。本当に、今すぐは無理ですけど、来年には沖縄でのライブを考えていますし、僕は20歳で東京に出てきて今年で47歳になるんですけど、やっと27年越しに「オリオンビールの顔」にもなって、「沖縄でライブをやる際は全力で応援します」という言葉もいただいたので、来年には凱旋(がいせん)で大きなライブを一緒に盛り上げてやっていきたいと思います。そのときは、ぜひ遊びに来て下さい。

 玉城:はい。その時は3階席の一番奥でペンライト振って一生懸命応援しますので(笑)。本当にこれからも気を付けて、GACKTさんが凱旋公演として沖縄に来て頂けるのをみんなで心待ちにしていますので、体に気を付けて頑張って下さい。きょうは本当にありがとうございました!

 GACKT:ありがとうございました!
 玉城:にふぇーでーびたん。ありがとうございました。

【対談全文・前編】首里城への関わりは誇り「1人のウチナーンチュとしてやれることを」