1950年の新聞を発見 当時の沖縄、紙面で実感 那覇市の上原さん「歴史もっと学びたい」


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上原祥典さん

 古本が好きという那覇市の上原祥典さん(64)が70年前の「うるま新報」など沖縄の新聞を同市内の骨董(こっとう)店で見つけた。1950年の新聞は沖縄群島知事選や朝鮮戦争、日米両政府の講和条約締結に向けた交渉の様子が紙面を埋める。上原さんは「歴史として知っていたが、新聞で読むと実際に起きたことだと実感できる」と思いをはせた。

 上原さんは数年前、那覇市内の「古美術なるみ堂」に立ち寄った際に新聞を見つけた。うるま新報は50年9月17、19日付の紙面で、ほかに同年4月27日付の沖縄毎日新聞、同年4月28日付の沖縄タイムスの紙面も一緒にあった。

 うるま新報は琉球新報の前身。当時の題字はスイジガイなど四つの貝の絵柄も一緒に描かれていて、沖縄らしいデザインが際立つ。

 9月17、19日付の紙面は沖縄群島知事選の様子が紹介されている。17日付には「具志川村にまかれたウソ 本社の号外で粉砕」との見出しの記事があり、70年前もファクトチェックをしていた。19日付は平良辰雄氏が松岡政保、瀬長亀次郎の2氏を抑えて当選を決めた様子を「圧倒的な得票で悠々当選」「泥合戦のりこえて公正な住民の審判」との見出しで伝えていた。

 上原さんは「戦後間もない頃、沖縄の行く末がどうなるか話し合われたことなどがうかがえる。新基地が造られようとする今、本当に平和だろうか。もっと歴史を学ばないといけない」と紙面を見つめた。

上原祥典さんが入手した70年前の沖縄の新聞