フランスに住む那覇市出身の美術家・幸地学さん(66)は、世界最大の競売会社「クリスティーズ」によるインターネット上のチャリティーオークションに相次いで作品を出品している。コロナ禍で苦しむ若手美術家の展示会や、レバノンの大規模爆発で医療活動をする現地の赤十字へ売り上げの全額を寄付する。
チャリティーオークションは世界的な画廊「クロード&フランス・ルマンコレクション」の画廊主クロード・ルマン氏が提案した。
若手美術家を支援する6~7月のオークションでは、ノートルダム寺院の火災を題材にした幸地さんの絵画「破壊から蘇(よみがえ)る希望と愛」などが出品された。同作が7500ユーロ(約90万円)で落札されるなど、幸地さんの絵画3点で落札額は計1万8千ユーロ(約220万円)だった。
レバノンの首都ベイルートで8月に起きた大規模爆発の被害者を支援するためのオークションも12月上旬から実施される。幸地さんを含む各国のアーティスト14人が協力し、版画100枚が競売にかけられる。幸地さんの作品は「サンゴ礁」や「マングローブ」などと題した沖縄シリーズのリトグラフ(石版画)など計14点。幸地さんは「沖縄出身のアーティストが、混乱する国際社会で人類の希望を抱き、少しでも文化の重要性を訴えることが誇りだと思っている」と語った。
(古堅一樹)