普天間の閉鎖・返還へのアクションは? 就任2年 宜野湾・松川市長に聞く


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就任2年を迎え、インタビューに答える松川正則宜野湾市長=9月29日、市役所

 【宜野湾】松川正則氏(67)が宜野湾市長に就任し1日で2年を迎えた。「世界一危険」と言われる米軍普天間飛行場を抱え、大きな基地負担がある市の今後の展望やかじ取りについて話を聞いた。

 ―普天間飛行場の閉鎖・返還の公約実現はどうか。

 「市だけでできるものではない。大きな壁があると感じている。国と県の対立でスムーズにいっていない。返還合意から来年で25年となる。閉鎖・返還は歴代市長らも言い続けてきたが、言い続けるだけでは無理だろう。国には普天間飛行場負担軽減推進会議や作業部会の開催を要請している。玉城デニー知事も反対するだけではなく、知恵を絞ってほしい」

 「名護市辺野古の移設工事が進み、昨年は『辺野古移設やむなし』と発信した。批判はほとんどなく、理解する声もあった。市議会が移設促進を求める意見書を昨年9月に出し、基地負担が重くのしかかっていることも改めて感じた。市長だからこそ少しでも閉鎖・返還に向けアクションを起こさないといけないと感じた」

 ―4月に基地から有害性の有機フッ素化合物PFOSなどを含む泡消火剤が流出した。基地外の汚染もある。市の対策はあるか。

 「流出は衝撃で原因がバーベキューと聞き、がくぜんとした。再発防止と(PFOSなどから安全性が確認されている物質へ)切り替えをやってほしい。(市として)すぐ対策が打てるか厳しい面もある。(基地外汚染は)はっきり原因を特定できていないが、基地であった消火訓練で汚染されているのではないか。国を挙げて対処してほしい」

 ―3年目の抱負を聞かせてほしい。

 「コロナ禍で予算が厳しく心配だ。税金の減免などで歳入は減り、生活保護など扶助費の歳出は間違いなく増える。なかなか客足が回復しない飲食業などへの対策も、改めて考えないといけないだろう。また国の高率補助などを活用して、市内のインフラ整備は続ける。キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区跡地は沖縄健康医療拠点として、跡地開発の核にしたい」
 (聞き手・金良孝矢)