【神奈川】ベトナム戦争など世界の現場を取材してきた報道写真家の石川文洋さんが日本列島を歩いて撮った写真を集めた「80歳の列島あるき旅・石川文洋写真展 フクシマ、沖縄…3500キロ」が3日、横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)で始まった。12月20日まで。初日の3日は石川さんの講演も開かれ、大勢が石川さんの体験に耳を傾けた。
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石川さんは80歳だった2018年7月から19年6月までの11カ月間、北海道から沖縄まで徒歩で巡った。東日本大震災や阪神・淡路大震災、熊本地震などの被災地や、米軍基地がある青森県三沢市や山口県岩国市、新基地建設が進む名護市辺野古などを活写してきた。
写真展では3万5千枚ほどの写真の中から約120枚を展示した。旅で使ったカメラや取材ノート、年表、石川さんの動画インタビューも並べている。
初日の講演で石川さんは、ベトナム戦取材の経験も交えて作品をスライドで映しながら解説した。「戦争は最大のテロだと思う。ベトナムではヘリは殺人鬼と同じだ。ベトナム戦も沖縄戦も人が亡くなると命をつなぐことができなくなる」と戦争が引き起こす悲惨さを説いた。
沖縄県内のシーンでは、米軍基地の現状と跡地の発展した状況を紹介し「(米空軍)嘉手納空港が返還されて民間飛行場として使えば、最低ランクの県民所得もずっと上がると思う」と経済発展のためにも基地返還の必要性を訴えた。
企画は博物館と共同通信社の主催。月曜休館日。入館料一般400円、大学生300円、高校生200円、中学生以下無料。
【琉球新報電子版】
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日本列島を北から南へ踏破した石川文洋さんの写真展では、旅で使用したカメラや取材ノート、衣装なども展示されている=3日、神奈川県横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)