【記者解説】政府、融和を前面に 思惑は見えず


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辺野古新基地建設現場

 玉城デニー知事は7日、菅義偉首相や加藤勝信官房長官らと菅政権発足後初めて会談した。菅氏と顔を合わせるのは今年3月の那覇空港第2滑走路完成の式典以来となる。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関して玉城知事が改めて求めた「対話の場」の行方はいまだ見通せないままだ。

 辺野古新基地建設を巡っては沖縄県と政府は裁判闘争なども経て対立構図が続いているが、玉城氏は知事就任から政府との対話を求め続けている。次年度予算の確保や次期沖縄振興計画についての協力を求める玉城知事は「柔らかく対応していただいた」と話すなど、首相としての菅氏との初会談は政府との融和ムードが前面に押し出された。

 知事が求める対話の場について菅氏側からは明確な回答はなかったが、好反応だったと印象付けるような発言が知事からは相次いだ。玉城知事が「後は沖縄側がどういうような内容でそれを求めていくかということだ」と語ったが、玉城知事の受け止めとは裏腹に政府側の動きは見えていない。
 (滝本匠)