唄者の新良幸人が那覇で100回目のソロライブ 島唄の世界を情感豊かに


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ゆっくりとかすむような演奏と表現力豊かな歌声を聴かせる新良幸人(三線・歌)=3日、那覇市の桜坂劇場

 石垣島白保出身の唄者・新良幸人の100回目となるソロライブが3日、那覇市の桜坂劇場であった。サンデー(太鼓)とサトウユウ子をゲストを迎え、新良の朗々した歌三線と太鼓、ピアノの音色が変幻自在に融合し、八重山民謡はじめ島唄の世界をじっくりと聴かせた。公演の1部を取材した。

 サンデーは、1993年に結成したバンド「パーシャクラブ」のメンバー。1部に出演した。息の合った民謡と新良の独唱の計11曲を披露した。幕開けを「白保節」「マジャンガー」で飾った。これまでの活動を振り返った新良は、涙をこらえるような表情を見せた。

 MCでは笑いを誘いながら、ゆるやかなトークで楽しませた。観客と笑顔で乾杯し「夏花」「ミナトーマ」を披露した。「27年もかかったが、100回目おめでとうと言わないでね。ありがとう」とちゃめっ気たっぷりにつぶやき、ファンに感謝した。

 昼間の風景を夜のように描いたという「月夜浜」は情景を浮かび上がらせた。「小浜節」の途中に、新良が涙をこらえながら歌う場面もあり、特別なライブであることを改めて感じさせた。1部の最後は新良のソロで「月ぬ真昼間」で締めくくった。

 2部はジャズピアニストのサトウを迎え、2011年にリリースし、コラボレーションしたアルバム「浄夜」の収録曲から「あがろうざ」「月ぬ美しゃ」「浄夜」などを披露した。会場から生配信も行われた。