沖縄県内で新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、玉城デニー知事は19日、市中感染の拡大防止対策の徹底を県全域に呼び掛ける「沖縄県新型コロナウイルス感染注意報」の第4報を出した。同日には県内で新たに36人の感染が確認され、うち宮古・八重山地域が計13人と増加傾向が続いている。玉城知事は経路不明の感染者割合が5割に近づいているとして「水面下での市中感染拡大に十分な警戒が必要な状況だ」と注意を呼び掛けた。
「感染注意報」は、感染防止と社会経済活動の両立を図る対策として、県が9月から運用している。特定の地域でクラスター(感染者集団)の発生が懸念される場合などが対象で、県は今月14日、宮古島市平良の飲食店に対策を促す「感染注意報」第3報を出した。その後の県内各地での感染発生を踏まえ、県全域を対象とする第4報に至った。
県が19日に発表した新規感染者36人のうち、宮古島市が5人、八重山地域が8人だった。10月だけで宮古島市と八重山地域で28人ずつの感染者が出ている。八重山の28人は全員が石垣市の「かりゆし病院」の関係者で、県が17日、クラスターに認定した。厚生労働省のクラスター対策班が20日にも石垣市入りする。
18日には29人の新規感染が確認され、19日発表分を含めた県内の累計感染者数は2954人となった。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は12・35人で、17日連続で全国最多。18日には嘉手納基地の米軍関係者4人の感染も県に報告された。19日はゼロだった。
県は「第4報」で外出時のマスク着用や手洗いうがいの徹底、少人数での会食・会合の開催、接触確認アプリ活用などを改めて呼び掛けている。玉城知事は記者会見で「コロナ疲れで気持ちを発散させたいという時期かもしれないが、飲み会や会合の持ち方も工夫してほしい」と強調した。