昨年10月31日の首里城火災時に同公園内に収蔵していた美術工芸品1510点のうち、所在が確認できず焼失したとみられるものは391点、焼失を免れたのは1119点に上った。焼失を免れた美術工芸品について、専門家が修繕が必要と判断したものが194点、修繕を必要としないと判断したものは108点だった。
火災での劣化は確認できたものの、調査に着手できていないものが177点あり、内訳は漆器(173点)がほとんどだった。
同公園を管理する沖縄美ら島財団が21日までに首里城公園のウェブサイト内で、美術工芸品の被害状況を公表した。焼失を免れた美術工芸品のうち劣化が確認されず、調査対象にならなかったものは640点だった。同財団が公表した美術工芸品の確認状況は「絵画」「漆器」「染織」「書跡」「陶磁器」「金工品・その他」に分類。焼失を免れた数や修繕の要不要の数、調査に着手できていない数を示す表を掲載した。
最も被害が大きい漆器は、焼失を免れた全285点が調査の対象になった。このうち112点の調査は終了したが、173点は着手できていない。同財団は「漆器は最も被害点数が多く、1点ごとの調査に時間を要する。新型コロナウイルスの影響で場所の確保も難しくなり、作業が追いついていない」と説明する。漆器を包んでいた薄紙の付着などが確認されており、長期間の修繕作業が見込まれている。
「収蔵品の確認状況」は首里城公園のホームページから「首里城基金」のバナーをクリックし移動したページで確認できる。