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嘉手納町出身の池原さん、打楽器の腕前で埼玉小川町の地域活性に一役<県人ネットワーク「輝く」>


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愛犬とくつろぐ池原克弥さん(右)と妻の沙苗さん

 首都圏周辺でも、若い人たちが都市部に出て行き過疎化が進む山の集落。近くにはシカもよく現れる。山の麓にぽつんと建つ一軒家に、同い年の妻・沙苗さんと愛犬のハナちゃんと共に暮らす。近くのスペースをスタジオに改装し、庭にも舞台を作成中で「地域の活性化を含め構想している。ここのみんなは音楽への理解もあるので、音楽を通して集まりができることに運命を感じている」と話す。

 以前はギターを持ちバンドも組んでいたが、後で始めた弟がうまくなって自身はドラムに転向し開眼。沖縄にいたころは、コザのライブハウス「ジャックナスティ」でかっちゃんバンドのドラムを担当したり、ジャズの「ライブイン寓話」でもたたいたりしていた。ドラム修行のため米国を回ったことも。

 沖縄県内では、2010年から宜野湾市でリハーサルスタジオ「ジャズドゥバレ」を経営していたが、3年ほど前から兄が住むさいたま市岩槻区に移り住み、東京都内の銀座などでジャズライブにドラム奏者として参加し、音楽関係の仕事を続けている。

 自然好きなこともあり、週末になると埼玉県内の山へキャンプに出掛けていた。そこで地元の人たちから声を掛けられ交流が始まる。音楽好きな人たちが集うコミュニティーに参加していくうちに「空き家があるよ」と誘われた。

 岩槻に住んでいた時は隣の人が誰かも分からないなど、互いに干渉しないよう気を遣っていた。今は隣の家は離れているが、近所付き合いは濃くなった。自然の素晴らしさはもちろんだが、人とのつながりの大事さに気付かされ、そこにほれて移ってきた。地元の人たちと一緒に暮らしながら、音楽イベントなどを通して地域活性の姿を思い描いている。


 いけはら・かつや 1980年4月、嘉手納町生まれ。埼玉県小川町在住。ロックやヒップホップも演奏する。ブラックミュージックが底流にある。