菅首相「辺野古が唯一」、立民・枝野氏「埋め立て中止を」 初の衆院代表質問


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国会議事堂

 【東京】菅政権発足後初となる衆院代表質問が28日午後、行われた。合流新党として初めて質問に臨んだ立憲民主党の枝野幸男代表は名護市辺野古の新基地建設問題で「埋め立て工事の中止」を求めた。これに対し菅義偉首相は「工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながる」と工事を進める考えを強調し、政策の違いが鮮明になった。

 枝野氏は県知事選や県民投票など、県民が繰り返し示してきた新基地建設反対の民意に加え、軟弱地盤の存在で工費が膨らみ、工期が見通せなくなっていることを問題視した。「健全な日米同盟を維持発展させるためにも、埋め立てを中止し、沖縄の民意を始めとした実情を米国に対し率直に説明し、理解を求め別の道を協議すべきだ」と訴えた。

 菅首相は、米軍普天間飛行場の固定化回避は「地元の皆様との共通認識だ」との考えを示した上で「日米同盟の抑止力の維持、普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策だ」との従来の方針を述べた。

 在日米軍の法的な地位や駐留の条件を定めた日米地位協定を巡っては枝野氏が「日本の主権を大幅に制約しており、特異なもの」だと指摘し、改定に向けた取り組みを求めた。

 菅首相は「事案に応じて最も適切な取り組みを通じ、具体的な問題に対応している」と説明。安倍政権下で環境や軍属を巡る補足協定を結んだことや、昨年7月に米軍機事故ガイドラインを改定したことなどに触れ「今後もこのような目に見える取り組みを一つ一つ積み上げていくことで、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求する」と述べるにとどめた。