平和の心、伝え続ける 那覇市で戦没者追悼式 規模縮小し開催


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献花する戦没者遺族ら=31日、那覇市の旭ヶ丘公園

 2020年那覇市戦没者追悼式(第25回なぐやけの碑慰霊祭、那覇市・市議会主催)が31日、那覇市若狭の旭ヶ丘公園内のなぐやけの碑の前で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年は300人の参加者席を70人にするなど規模を縮小した。戦後75年の節目に恒久平和を祈った。

 城間幹子市長は「今年は世界中が新型コロナウイルスという目に見えない脅威に襲われ、改めて日常のありがたさを感じ、平和な毎日がいかに尊いかという思いを強くしている。今を生きる私たちは先の大戦の悲劇を後世に伝える義務と、平和な未来を築く責任がある」と式辞を述べた。

 那覇市連合遺族会首里遺族会の照屋苗子会長(84)は1944年10月10日の10・10空襲について「首里から那覇方面に目をやると火の海になっていたのが昨日のように思い出される」と語り「毎年、この季節になると涙ぐむのを禁じ得ない。悲惨な歴史を繰り返さぬよう平和を希求する沖縄の心を発信し続ける」と追悼の言葉を述べた。