屋台、家族で営み10年 新垣ロベルトさん一家 店拡大へ 新メニューも【ボリビア】


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屋台がオープンした頃の新垣家=2010年、オキナワ移住地

 オキナワ移住地の大通りで、新垣さん一家が営む屋台「ROMI」が今年で10年目を迎えた。店主の新垣ロベルトさん(50)と妻の美幸さん(47)、長男のローニさん(20)、長女の美奈さん(16)の家族4人で屋台を切り盛りする。店名は夫婦と子どもたちの名前から、一文字ずつを取って名付けられた。

 ロベルトさん夫婦が「給与以外の収入源を」と考えて、2010年に屋台をオープンした。当時は数えられるほどしかなかった屋台に目を付けたという。トラックの荷台に道具を積んで、美幸さんの兄が営む金物店の一角で開業した。「すぐに行列ができた。間に合わない日もあって、帰るお客さんもいるほどだった」と振り返った。

 当時は6歳で、家族で一番幼かった美奈さんは高校生になった。ローニさんは12歳で焼き鳥を焼くようになり、今年で成人を迎えた。2人は学校の授業が終わると、お店を手伝っている。子どもたちが小さい頃に夜遅くまで手伝ってもらったことや、家族や親戚の支えがあったことなど「全てが思い出」と実感する。屋台には家族の歴史が詰まっている。

 屋台の人気メニューはハンバーガーとボリビア西部の伝統料理ピケマチョだ。「ピケマチョはボリビア人のお客さんが来て、作り方を教えるから肉を出せと急に言われ、目の前で作って味付けも教えてくれた」と思い出を語った。今年はお店を拡大して、新メニューの鳥の丸焼きも販売する予定だ。

 美奈さんは「誕生日に友達がサプライズでケーキを持って来てくれた。お母さんが喜んでお店を貸し切りにして、みんなでハンバーガーを食べて楽しく過ごしたことが思い出だ。おいしかったと言われるのがうれしい。美奈のお店に行こうって言われると一番うれしい」とほほ笑んだ。

 (安里玉元三奈美通信員)