辺野古新基地建設に必要な調査に着手 美謝川の工事に向け 沖縄防衛局


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辺野古ダムからキャンプシュワブ内に流れる美謝川=2014年10月24日、名護市辺野古

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、沖縄防衛局は8月から新基地建設に必要な美謝川の切り替え工事に向けたボーリング(掘削)調査を始めており、2020年度内に完了する予定だ。

 辺野古ダムから米軍キャンプ・シュワブを通って大浦湾に至る20本程度の掘削を見込んでいる。調査結果を踏まえて本年度末に詳細設計を作り、名護市との協議に入るとみられる。

 川がつながる辺野古ダムでは市が地権者から土地を借りて水道事業をしている。市は水質汚濁の対策を求めており、防衛局は市と調整しながら調査を進める方針だ。

 調査は市の許可なしでできるが、実際の工事は内容次第で市の条例に基づき市との協議が必要となる。複数の市民団体が渡具知武豊市長に対し、工事を認めないよう要請している。

 美謝川の切り替え工事を巡り、防衛局は14年9月、新基地建設に反対する当時の稲嶺進市政の関与を避ける工法に変更した。ただ、県からも承認を得る見込みがなく、14年11月に申請を取り下げた。現在は元の切り替えルートを前提に調査を進めている。7月の環境監視等委員会で防衛局は美謝川の切り替え工事を進める方針を説明していた。