沖縄県宜野湾市立嘉数中学校の1年生4人が10月31日、嘉数公民館で集落マップや住民の避難経路を示すマップを作成した。4人が暮らす嘉数の地域に残る戦跡や旧跡、住民の当時の避難経路などを地図に落とし込むことで、戦前の集落の様子や住民の日常を一変させた沖縄戦への理解を深めた。戦争継承に取り組む団体「ぎのわんピースブリッジ」が企画した。県内の大学生と嘉数区自治会が協力して、団体を立ち上げた。
参加した中学生は吉浜航希さん(13)、平良胤篤(かずひろ)さん(13)、伊波隆さん(13)、照屋全啓さん(12)。戦争体験者の証言などをまとめた資料を石川勇人さん(22)=沖縄国際大4年=と芦塚尚志さん(22)=琉球大4年=がそろえ、マップ作りをサポートした。
中学生4人はマップを作成し、「集落内にミーガーという場所があるなんて今まで知らなかった」「嘉数の住民が戦争でこんなに遠くまで避難したのか」などと感想を語った。石川さんは「中学生たちが集落の歴史や戦争に関心を持つきっかけになってほしい」と話した。
中学生らは今後、作成したマップを活用して戦争体験者と共に実際に集落内を歩き、当時の話を聞いた様子を撮影した動画を投稿サイトなどで配信する予定だ。