高良倉吉さんと故大城立裕さん、首里城再建を巡るエピソード


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高良倉吉氏

 那覇市のタイムスホールで10月30日に行われたシンポジウム「首里城 再建のビジョン」に登壇した高良倉吉琉球大学名誉教授。シンポジウムは同27日に95歳で亡くなった作家の大城立裕さんに参加者全員で黙とうをささげて始まった。高良さんは、大城さんが沖縄史料編集所所長だった頃の部下で、同28日の仮通夜にもいち早く駆け付け最後の別れを惜しんだ。

 高良氏とノンフィクション作家の与那原恵さんとの対談でも話題は大城さんに。コーディネーターを務めた那覇市文化協会長の崎山律子さんが、今年1月1日の琉球新報に掲載された大城さんの寄稿文を紹介。首里城再建に当たって県と政府の主導権争いを危惧していたと書いた大城さん。だが、高良さんが再建のかじ取りをすることで大城さんは「建設的な協力に持って行く」と期待していた。

 崎山さんが高良さんに見解を求めると、「文章を読んで本人に電話したかったがあえてはしなかった」と高良さん。その上で「それぞれの機関が連携して再建に当たって、というメッセージとして受け止めた。大変、励まされた」と感慨深げだった。