新型コロナウイルスの影響で外出や外食する機会が減少している中、自宅でも華やかな食事ができるよう、食器の販売が好調に推移している。RGC(琉球ガラス村、糸満市、稲嶺佳乃社長)のECサイト売り上げ(1~10月)は前年同期比20%と堅調に伸びている。食器販売で県内老舗のアンカー商事(宜野湾市、與崎文美社長)直営店の6~10月までの売り上げも前年同期比18%増で推移している。
地元の食卓応援企画として、RGCは今月から食器の下取りキャンペーンを始めた。自宅にある不要なガラス製食器を琉球ガラス村に持ち込むと、同ガラス村で使える商品券と交換できる。キャンペーン開始から5日間で、下取り個数は300個に達した。
同社は会員制交流サイト(SNS)での発信にも注力している。今年5月にSNSでガラス工芸の流れなどを紹介したのがきっかけで、インターネットでの口コミが一気に広がり、ガラス村の商品が一躍話題となった。その結果、誕生日ギフトとして贈るバースデーグラスの売り上げ増につながったという。企画広報課の當眞大地係長は「海外向けの販売や、日常で使いたくなるようなセットなどの販売にも注力したい」と語る。
アンカー商事では6月以降、家庭用の食器を求める来店客が増えた。1本千~2千円のワイングラスもコロナ禍以前と比べてよく売れているという。與崎社長は「新型コロナの影響で生活価値観も変化してきた。これまでお客さま用に食器を用意していた来店客は、自身が癒やされる食器を中心に限定数量での購入に変わった」と説明した。
年末に向けて家の大掃除などを経て、與崎社長は「食器の買い替え需要は今後もしばらく続くだろう」と予測した。
(呉俐君)