ひめゆりホールの運営未定に コロナで管理会社が撤退 同窓会は施設存続を要望


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那覇市栄町市場内にあるひめゆり同窓会館の入り口=12日、那覇市安里

 那覇市安里のひめゆり同窓会館内にある「ひめゆりピースホール」と「リリィホステル」を管理・運営するオフィスブラットが12日、同館を所有する県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団との賃貸契約を年内で終了するとSNSで発表した。財団は「両施設の今後について現在協議中」としている。

 オフィスブラットは、沖縄市にある従業員5人以下の小規模企業者で、さまざまなビジネスサポートを手掛ける。

 同窓会館が2017年にリニューアルしてできたピースホールとホステルを、管理・運営してきた。同社によると、新型コロナウイルス感染症の影響で、両施設の今年の利用者は昨年に比べ約9割減少したという。

 担当者は「財団には家賃の減免をしてもらっていた。しかし家賃を支払えないことが申し訳なく、先も見通せないため苦渋の決断をした」と説明した。

 ホールは、ひめゆり同窓会の同窓生が月2回ほど集まり、コーラスの練習や近況を報告し合う交流の場でもあった。同窓会の玉城節子会長(92)は「戦前、師範学校女子部と第一高女があった敷地内にある同窓会館で集まることに、意義がある」とし、施設の存続を求めた。