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<シネマFOCUS>「博士と狂人」言葉に生かされ、傷つき、救われる…2人の男の交流 

 言葉に生かされ言葉に傷つき言葉に救われる。そんな言葉を編むために出会ったのは二人の男。

 オックスフォード英語大辞典の編さんを任されたのはマレー博士。協力者として出会ったのが殺人の罪で精神科病院に隔離されたマイリー。辞典の完成は引き継がれながら、70年以上の月日を費やしたというから、突き詰めていえば二人ともある種の狂気をはらんでいたのだろう。

 貧しい生い立ちで独学で言語学者となったマレーに、アカデミックな学者たちは冷淡な態度をとるが、誰もが挫折を繰り返してきた仕事にマレーは果敢に挑む。英語を使う人たちの協力も得ようと、書店の本に協力依頼のメモを挟んでもらうアイデアは秀逸。

 知の巨人たちが織りなす交流は、まさに事実は小説よりも奇なり。字の読めない女性にマイリーが字を教える際に「物語はあなたに翼を与える」と語りかける。翼は希望となり、愛となる。言葉がもたらす希望は、発する側の生き方でもあると知る。監督はP.B.シェムラン。 
 (スターシアターズ・榮慶子)



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