戦争を体験した世代の責任とは 教育関係戦没者慰霊祭


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教育関係戦没者慰霊祭で献花する参列者=14日、那覇市久茂地の県教育会館

 第67回教育関係戦没者慰霊祭が14日、那覇市久茂地の県教育会館で開かれ、遺族や教育関係者ら約30人が参列した。現会館は取り壊され、2021年5月に同市大道に新設されるため、現会館では最後の慰霊祭となった。参列者は沖縄戦で犠牲になった児童生徒や教職員を追悼し、不戦の誓いを新たにした。

 現会館は1954年に完成し、教育環境の改善を求める運動や復帰闘争の拠点となった。鉄筋コンクリート3階建てで、3階には沖縄戦で犠牲になった児童生徒や教職員7610人の名前を記した慰霊碑があり、毎年6月に慰霊祭を行ってきた。慰霊碑も新会館に移される。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、6月の開催を11月に延期し、参加人数を約60人から約30人に制限した。

 同会館の佐賀裕敏理事長は「これからも命、平和、人権、環境、共生を大事にする教育を進めていく」とあいさつし、「沖縄戦の実相を風化させることなく、歴史の教訓として語り継がなくてはならない」と決意した。

 追悼のあいさつで県遺族連合会の宮城篤正会長は「戦後75年が経過し、戦争を体験した世代は少なくなってきている。悲惨な体験を風化させることなく後世へ伝えることは、戦争を体験した世代の責任だ」と非戦への思いを語った。

 県教育会館では16~20日の午前11時から午後5時まで献花を受け付けている。混雑防止のため、会館に電話した上での来館を呼び掛けている。問い合わせは(電話)098(867)0161。