首里城の復興願い菊で再現 静岡・楽寿園 エイサーや琉舞も披露


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実物の2分の1の大きさで再現された守礼門の前で写真撮影する来園者=15日、静岡県三島市の同市立楽寿園

 【静岡】静岡から首里城の復興を願う―。三島市立公園「楽寿園」で15日、沖縄県出身者や愛好家らが琉舞やエイサーを披露した。10月30日から開催中の菊まつりの一環。同園には、実物の4分の1の大きさで高さ4メートルの首里城をはじめ、守礼門、園比屋武御嶽石門が菊で再現されており、沖縄の踊りや三線の音色とともに来場者を楽しませた。

 68回目を迎える菊まつりの今回のテーマは「首里城 焼失からの復興を願い『菊』で再現」。同まつりで沖縄をテーマにするのは初めて。沖縄県庁や首里城公園など関係機関から資料や図面などを取り寄せて約30人が1カ月かけて完成させた。再現された首里城などは、色とりどりの菊3千鉢以上で飾られ、一層の華やかさを演出していた。

 晴天となった15日、大勢の来場者が会場に詰めかける中、舞台では柳清本流柳清会沖縄支部と琉神のメンバーによるかぎやで風や四ツ竹、鳩間節のほか、エイサーや獅子舞などが披露され、歓声や拍手が盛んに送られていた。最後は、出演者と観客がカチャーシーで締めくくった。再現された首里城や守礼門の前では、家族連れや若者が写真に納まっていた。

首里城の復興をテーマに開催中の菊まつりでカチャーシーをする来場者と出演者=15日、静岡県三島市の同市立楽寿園

 御殿場市からバスや電車で2時間かけて姉妹と来たいという勝又光江さん(85)は「今日は、首里城を見に来た。沖縄にも首里城にも行ったことはないけど、いつか見てみたい」と語った。

 楽寿園は2018年に、与那国馬を迎え入れたのをきっかけで、与那国町と交流している。首里城の復興に役立ててほしいと、今回、募金活動も行っている。

 楽寿園の岸原尚紀さんは「首里城は龍の絵など装飾も細かく、再現するのは大変だった。多くの人に焼失した首里城のことなどを知ってもらえるとうれしい」と話した。