【中城】県内で唯一のオカリナ奏者、仲里尚英さん(67)がこのほど、中城村新垣の朝日陶器で演奏会を開いた。自身が手掛けた約20種類の音色や形が異なるオカリナを次々と吹き鳴らし、優しい音色を届けた。
高校卒業後に右耳が聞こえなくなる病に襲われた仲里さん。やけっぱちの中で、たまたま付けたテレビで筋ジストロフィー患者の演奏を見て感銘を覚えた。近くにあったオカリナを手にすると、人の心を引きつける音色に夢中になり、独学で練習に励んだ。現在は小学校や福祉施設などを回り、精力的に演奏会を開いている。
当日は、ディズニーやジブリの名曲などを披露しながら、自作のオカリナを紹介した。
半身不随の人も演奏できるようにと片手演奏が可能なものや、小指がなくて演奏できない「カメさん」という女性に出会ったことがきっかけで開発したカメ型のものなど、軽快なトークとともに多種多様な作品が続々と登場した。
仲里さんは「今回は陶器の良さを知ってもらおうと企画した。今後も輪を広げ、たくさんの人に癒やしと希望を届けたい」と思いを込めた。
朝日陶器の山入端敏社長は「なかなか聞くことができないので貴重な機会になった。とても癒やされた」と笑顔で語った。