沖縄戦で俳優座が朗読劇 西表島・大原小児童が東京と結んで鑑賞


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「えんどうの花」を歌唱する場面で、一緒に歌う児童ら=17日、竹富町西表島の大原小学校

 【西表島=竹富】子どもたちに沖縄戦の実態を知ってもらおうと企画された朗読劇「女子学徒たちの沖縄戦」(主催・文化庁、日本劇団協議会)が17日、劇団俳優座の俳優が出演する東京都の舞台と、竹富町西表島の大原小学校をオンラインで結んで行われた。

 砲弾が飛び交い、死が隣り合わせにあった沖縄戦の様子を伝えようとする熱のこもった演技を、児童らは画面越しに真剣に見詰めた。

 県内在住の漫画家新里堅進さんの沖縄戦に関する作品をモチーフに、看護補助などとして軍に動員され、多くの犠牲者が出た女子学徒などの体験を戯曲化した朗読劇で、体験者の証言を交えながら戦争の悲惨さを訴えた。

 当初は俳優が来島して上演する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンラインでの上映に変更となった。

 俳優の朗読は特別に場所の提供を受けた東京都目黒区の天恩山(てんおんざん)五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)本堂で行われ、「えんどうの花」を歌唱する場面では児童も一緒に歌った。

 佐藤樹璃さん(3年)は「仲間が死んでしまう場面は怖いと感じた。戦争がなく、平和な世の中にしたいと思った」と話した。

 朗読劇は大原小学校のほか、大原中学校と竹富小中学校でも上演された。