平和の学び、沖縄から初配信 ピースリンクが愛知・南山高校生徒と意見交換


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 新型コロナウイルスの影響で沖縄を訪れる修学旅行の中止が相次いでいることを受け、県内のガイド団体などが協力して平和学習をオンラインで配信する「沖縄ピースリンクプロジェクト」が始まった。20日、沖縄平和ネットワークの北上田源事務局長によるガイドで初開催され、愛知県の南山高校女子部2年生約200人がオンラインで沖縄戦を学んだ。

オンラインで名古屋市の南山高校女子部2年生に沖縄戦について説明する沖縄平和ネットワークの北上田源事務局長(下段中央)=20日

 同校は来年3月に修学旅行で来県予定だったが、9月末に中止が決まった。北上田事務局長が教諭と相談し、オンライン学習を実施することになった。

 生徒は事前に沖縄平和ネットワーク刊行の「歩こう 探そう 調べよう平和の礎」で沖縄戦について学んでいた。オンライン平和学習では、事前学習の発表をしながら、糸満市摩文仁の平和の礎に関する説明に聞き入った。途中、日本軍第32軍の牛島満司令官の孫、牛島貞満さんも加わり、日本軍の南部撤退が住民を戦闘に巻き込む悲劇につながったことなどについて、意見を交わした。北上田事務局長は「今度はぜひ沖縄に来てほしい」と呼び掛けた。

 プロジェクトは来県できない学校にガイドや語り部が講話する場を設け、「学びたい人」と「伝えたい人」をつなぐ試み。沖縄平和ネットワークを含め、6団体・施設が参加。今後さらに増やしていくという。