立民・枝野代表「那覇軍港の浦添移設を後押し」 普天間返還に新基地不要との見解


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インタビューに応じる立憲民主党の枝野代表

 立憲民主党の枝野幸男代表は23日、那覇市内で琉球新報社のインタビュー取材に応じ、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設について「地元の合意に基づいて進められている。われわれとしても後押ししたい」と述べ、浦添移設を容認する姿勢を示した。立憲民主党が移設の是非を示すのは初めてで、これまでは党内の議論が整っていないとして「保留」の立場をとっていた。

 那覇軍港移設を巡っては、立民が支持する玉城デニー知事も容認の立場だが、県政与党の社民党や共産党、社大党などは反対の立場。ただ、与党内には「容認」の立場をとる議員も複数おり意見が割れているのが実情だ。

 那覇軍港は、1974年の日米安保協議委員会(現在の通称2プラス2)で移設を条件に全面返還が合意された95年の日米合同委員会で移設先が那覇港の浦添ふ頭地区に決定した。その後、2001年に当時の儀間光男浦添市長が受け入れを表明。国と関係自治体でつくる移設協議会が03年に浦添ふ頭地区北側に軍港を配置する「北側案」を了承した。日米両政府は13年、県内で代替施設が提供され次第、返還時期を「28年度またはその後」とすることで合意している。

 一方、枝野代表は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設について、新たな基地を建設しなくても普天間は返還できるとの見方を示した。普天間飛行場の危険性除去については「米国と一緒に代替案をつくらないといけない」との見解を示した。移設先などについては「現時点で県外とか国外とかは言わない。海兵隊のプレゼンスの観点から何が必要なのか、まずは米国にしっかりと確認をさせ、どのような選択肢があり得るのかを米国と交渉する。結論ありきで米国に迫ってもそれは交渉のやり方としてうまくいかない」と述べた。