世界のウチナーンチュ拠点 21年度にJICA沖縄内設置へ 大会開催に「ハイブリッド」案も


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浦添市にあるJICA沖縄国際センター

 県は2021年4月、世界中に広がる県系人のつながりを次世代へ継承するため、情報交換や交流活動の拠点を浦添市のJICA沖縄内に設置する。県民からウチナーンチュネットワークの拠点設置を求める声が上がっており、県が専門家らを招いて設置した「海外ネットワークに関する万国津梁(しんりょう)会議」(委員長・小川寿美子名桜大教授)も必要性を指摘していた。

 24日に県庁で開かれた万国津梁会議の第3回会合で、県が事業を説明した。(1)留学生事業や人材データベース構築など人的ネットワーク継承(2)多言語による情報発信や海外の情報集約(3)交流促進(4)相談窓口(5)歴史継承の推進―を担う基盤にしたい考えだ。

 既存の機関が別々に役割を担っている場合が多く、拠点となる事務所に問い合わせの窓口を一元化する狙いがある。県は委託する業者を公募しており、25日に企画を審査し、年内に業者と契約する予定。本年度で準備し次年度から始動する。

 万国津梁会議の委員からは「業者へ丸投げにならないようにしてほしい」「単発で終わらず継続して取り組むべきだ」などの意見があった。

 会合では、22年に予定している第7回世界のウチナーンチュ大会について、通常通り県内で開催する方式とオンライン実施を組み合わせた「ハイブリッド方式」を求める案が出た。大会事務局は検討すると答えた。

 国内外で活動する県系人らが所属する411団体を対象としたアンケート調査についても報告があった。21日現在で回答したのは海外24団体、国内26団体にとどまる。小川委員長は最終的に回答率50%以上を目指したい考えを示した。

 委員たちは24日、会合に先立ち玉城デニー知事と面談し意見を交わした。アンケート結果を踏まえ、年度内に玉城知事への提言書を作る予定だ。