「第32軍司令部壕保存・公開を求める会」の瀬名波栄喜会長らは25日、県議会に赤嶺昇議長を訪ね、司令部壕の保存・公開の実現に向けた要請書を手交した。首里城再建の動きが進む中、瀬名波さんは「首里城と32軍壕は不可分だ。琉球の文化と沖縄戦の象徴として戦争の悲惨さを学び、平和発信の場にしてほしい」と強調。首里城周辺整備の一環として適切に32軍司令部壕を保存・公開し、平和発信の拠点とするため、県議会での議論の活性化を求めた。
赤嶺議長は「議会が全会一致で取り組むことが県民も一番喜ぶことだ。もうすぐ復帰50年という節目でもある」と述べ、県議会としても首里城再建と合わせて取り組みたいとの考えを示した。
要請書では、司令部壕について「沖縄戦の指揮拠点となった場所」と指摘。「劣化に任せて内部の状態が把握できないままに放置されていることを沖縄戦の記憶の継承という観点から看過できない」としている。瀬名波さんは「軍隊のとりでではなく、平和のとりでにしたい」と訴えた。