【東京】26日の参院外交防衛委員会で、米軍普天間飛行場における離着陸回数として2種類の数字が出た。一つは沖縄防衛局が目視調査で数えた回数で、最新の2019年度は1万6848回。一方、防衛省が特定防衛施設周辺整備調整交付金(9条交付金)の算定で使用している数字では、19年度は「4万5500回以上、5万2千回未満」となっており、目視調査と3倍近い差が出ている。
防衛局が目視調査した数字は、離着陸や上空飛行、タッチ・アンド・ゴーなどをカウントした数字だ。一方、交付金の算定で使っている回数について防衛省は「離着陸等の回数」の過去3年の平均だと説明したが、数え方などの詳細は「米軍の運用に関することであり、お答えできない」と述べるにとどめた。
交付金算定の数字をベースに見ると、18年度は「5万8500回以上、6万5千回未満」となっており、15年度の「1万9500回以上、2万6千回未満」と比べて2倍以上回数が増えたことになる。
政府はオスプレイの訓練移転やKC130空中給油機の岩国基地(山口県)への移駐など「負担軽減に取り組んでいる」と強調しているが、質問した伊波洋一参院議員(沖縄の風)は、「実際の飛行回数は倍増している」と疑問視した。