「将来の夢を思い描いて」 ノーベル物理学賞の梶田氏講演 高校生から質問も


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ノーベル賞受賞者の梶田隆章氏に質問する参加者=28日午前、恩納村谷茶の沖縄科学技術大学院大学講堂

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)で28日に開かれた講演会で、ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章東京大学宇宙線研究所所長は「科学と私たちの生活そして未来」と題してこれまでの研究生活を振り返った。「カミオカンデに出合えたことが幸運だった」と話した。受講した高校生たちはメモを取りながら真剣な表情で話を聞いていた。

 梶田氏は東京大学大学院時代に故小柴昌俊氏の研究室でカミオカンデの開発に携わったことをきっかけに、ニュートリノの研究を始めた。「当時は、第一線の研究をしている実感はなく、カミオカンデを作り上げるのが楽しかった」と振り返った。高校生には「自分の将来の夢を思い描き、それを忘れずに高校生活を送ってほしい」とエールを送った。

 講演後の質疑応答では、高校生から「影響を与えた本」や「研究者にとって大切なことは」「海外の研究者と共同研究をする上での課題、今後期待することは」などさまざまな質問が上がった。

 「反物質がニュートリノにも存在するのか」との質問に対して「極めて深淵(しんえん)な質問だ。現時点では分からないが、重要な研究課題で良い質問だ」と驚いた表情で答えた。高校生からは制限時間ぎりぎりまで手が挙がっていた。

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