当間の獅子舞、大舞台に 南城の保存会 九州芸能大会で躍動


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
九州の地で力強い獅子舞を披露する当間伝統芸能保存会=8日、大分県中津市の中津文化会館(提供)

 【南城】南城市大里仲間当間区(玉城泰区長)に伝わる市の無形民俗文化財「当間の獅子舞」が8日、大分県の中津市にある中津文化会館で行われた第62回九州地区民俗芸能大会で披露された。当間伝統芸能保存会(新垣徳義会長)のメンバー11人が出向き、躍動感あふれる獅子舞などを観客に見せた。メンバーらは「九州で当間の獅子舞をPRすることができた」と胸を張った。

 同保存会は本番に向けて、練習を重ねてきた。練習日だった2日の夜、獅子舞を担当する金城秀弥さん(28)は今年初めての舞台に胸を躍らせていた。「今年はコロナ禍で(当間の)十五夜祭りが中止になり、区民に獅子舞を見せることができなかったので、九州の舞台で獅子舞を披露する機会が得られて喜びを感じる」と話した。

 獅子舞は獅子頭を担う金城さんと胴体部を担当する城間俊晶さん(33)、獅子を操る運天大喜さん(26)の3人。同区によると当間の獅子舞は重さが約20キロと重量感があり、頭を2本のつかみ棒で操る動作と形のある踊りが大きな特徴という。城間さんは「2人とは10年以上組んでいるので、常に息は合っている」と笑う。

 本番の8日は地謡を引き連れて勇壮な獅子舞と、平良宙士(ひろと)さん(19)の力強い舞方が披露した。舞台を終えて、金城さんは「客席からは拍子や歓声が聞こえたのでうれしかった。県外の伝統芸能と沖縄の芸能の違いも味わえた」と語った。

 同保存会の新垣会長は「コロナで客席も半分ほどに制限されていたが、沖縄を代表して堂々と当間の獅子舞を披露することができた」と絶賛した。運天さんは「コロナが落ち着いた後には積極的に県外や海外にも足を運び、獅子舞を披露したい」と期待した。 (金城実倫)

九州地区民俗芸能大会に出演した当間伝統保存会のメンバー=2日夜、南城市大里仲間の当間公民館