沖縄のソフトパワーをペルーで広めたい 日系研修の経験生かし民話や折り紙SNSで発信


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「ASHIBI Zoom」のワークショップで、折り紙のシーサー作りを教えるマガリさん(写真上左から2番目)

 沖縄のソフトパワーをペルーで広めたいと強い思いを持ち、沖縄民話の語り部や折り紙などの活動で、子どもたちに文化を伝えている人がいる。北谷町系3世の津嘉山マガリさんだ。

 マガリさんは2012年に、北谷町の海外移住者子弟研修に参加した。

 18年には国際協力機構(JICA)の日系研修「沖縄ルーツの再確認を通して学ぶソフトパワー活用と地域活性」に参加し、沖縄の歴史や文化、生活、芸術を学んだ。「沖縄のソフトパワーを子どもや高齢者に広めるという目標を実現するために、日系研修はとても役立った」と振り返る。

 帰国後、ペルー沖縄祭りや世界のウチナーンチュの日記念イベントで「タコとミーバイ」などの沖縄民話を紹介した。市町村の頼母子(たのもし)(模合)では、折り紙を使ったシーサーの作り方を教えている。

 今年は協力者の城田アンヘルさんと話し合い、新型コロナウイルスに負けず、沖縄のソフトパワーを面白く簡単に楽しめる方法として、SNSを活用して「ASHIBI Zoom(アシビ・ズーム)」を立ち上げた。シーサーとキジムナーなどを紙で作る無料のワークショップなど、子ども向けのイベントをZoomで開催した。琉球料理やウチナーグチ、沖縄や市町村のゲームなどの映像も配信している。

 マガリさんは「ASHIBI Zoomは沖縄のソフトパワーを拡散し続ける方法だ。ペルーだけではなく、南米や世界中からもっと多くの子どもと親が参加できるようにしたい」と意気込みを語った。
 (安里玉元三奈美通信員)