アートな部活動「ユーチュー部」 住民と外国人が共に撮影 地域の魅力を再発見


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オンラインでつないだ講師の藤井光さん(中央)を囲むユーチュー部の参加者=11月17日、那覇市の若狭公民館

 那覇市若狭公民館を運営するNPO法人地域サポートわかさが、地域住民と県内在住の外国人らが一緒に映像を撮影し、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで発表する企画「ユーチュー部」を開催した。住民と外国人の交流を深めることや、外国人の目を通して地域の魅力を再発見することが狙い。最終回の11月17日に各チームが映像を発表した。

 ユーチュー部の参加者は若狭公民館に集まり、美術家・映画監督の藤井光さん(東京都)からオンラインで指導を受けた。9月から4回にわたり、映像のテーマを決めたり撮影方法を学んだりしてきた。

瀬長島でのピクニックを撮影した作品「ネパール・イン・オキナワ」でネパールの風習「ティカ」を体験する場面

 チームの一つは、瀬長島でピクニックをした様子を撮影した。ネパールからの留学生ルマ・バンダリさん(19)らの「家族に沖縄の海を見せたい」という思いからだ。料理を持ち寄り、幸せを願って額に赤い印を付けるネパールの風習「ティカ」も体験した。佐々木綾菜さん(26)は「海に沈む夕日を撮る予定だったけど、盛り上がり過ぎて忘れてしまった。顔が見えにくい関係だった留学生たちと友達になれた」と笑顔を見せた。

 ほかのチームは、波の上ビーチを散策しながら出会った人にインタビューをしたり、海をテーマに海岸のごみを撮影したりした。

 藤井さんはピクニックの作品を「ほかにない風景が撮れている」と評価した。海の作品については「東京にいると沖縄の美しい海を想像するが、現実は生易しくないと考えさせる映像だ」と感想を語った。参加者に「今後も続けて次の作品に挑戦してほしい」とエールを送った。

 ユーチュー部は地域サポートわかさがアーティストと共につくる、社会教育プログラム「アートな部活動」の一つ。県と県文化振興会の「沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業」の支援を受けた。

 各チームの作品は今後開設するユーチュー部のウェブサイトでも公開する予定。
 (伊佐尚記)