中部観光サービス破産へ コロナ関連、負債2億


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 東京商工リサーチ沖縄支店は1日までに、観光バス事業の中部観光サービス(豊見城市、山城茂社長)が破産の準備に入ったと発表した。同支店の集計によると、破産準備を含めて県内の新型コロナ関連倒産は累計8件となった。観光バス事業者のコロナ関連倒産は初めて。東商リサーチによると、債権者15人に対し負債総額は約2億7千万円で、業績不振が原因という。同社の代理人は「詳細はノーコメント」と話した。

 観光客を対象とした観光バス事業に加え、2019年8月から那覇空港と瀬長島を結ぶ路線バスを運行していたが、感染症の影響による乗客減少を受けて今年9月に撤退した。路線は、県内に新規参入した東京バスに引き継がれている。

 中部観光サービスは13年に設立。東商リサーチによると、16年3月期の売上高は約2億9千万円で、黒字を確保していた。だが、同業者間の競争激化の影響から17年3月期は赤字となった。18年に合同会社から株式会社に変更しWBFホールディングス(大阪市)の傘下となったが、今年に入ってからWBF側が株式を手放し、傘下から外れていた。