国連で「大学は沖縄の遺骨返還を」松島教授が声明 研究者持ち去りと対応批判


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オンラインで声明を発表する松島泰勝龍谷大教授

 1928~29年に旧帝国大学の研究者によって沖縄から持ち出された遺骨が返還されていない問題で、松島泰勝龍谷大教授が1日、国連で遺骨の返還を求める声明を発表した。

 松島教授は遺骨の返還運動に取り組む沖縄の市民団体「ニライカナイぬ会」の共同代表として、スイスのジュネーブで開かれた国連「先住民族の権利に関する専門家機構」にオンラインで登壇した。

 声明はニライカナイぬ会が、国連NGO市民外交センターと共同で提出した。遺骨を保管する京都大学が現在も沖縄側に返還していないことを批判した。台湾大学は遺骨を返還したものの、移管された県教育庁が再風葬を拒否していることを「先住民族の権利に関する国連宣言」第12条(宗教的伝統と慣習の権利、遺骨の返還)に反していると指摘した。その上で研究機関が遺骨を持ち去り、保管し、研究に利用することを批判した。新型コロナウイルス感染症の影響についても、琉球遺骨返還請求訴訟(京都地裁で係争中)で口頭弁論が延期されるなど「国際法で保障された権利の行使を大きく阻害している」と訴えた。