辺野古へ土砂、変わらぬ「目的外使用」…安和桟橋からの搬出2年


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ベルトコンベヤーを通って運搬船へ積み込まれる埋め立て用土砂=1日、名護市安和の琉球セメント桟橋

 【名護】名護市辺野古の新基地建設で、市安和の琉球セメント桟橋から埋め立て用土砂の搬出が始まってから3日で2年。本部半島の鉱山から採掘された土砂がダンプカーで桟橋に運ばれ、輸送船に積み込まれ辺野古の海上に送られ、投入されている。セメント出荷などを目的につくられた桟橋が土砂搬出に使われていることに、基地建設に反対する市民らは「目的外使用だ」と訴え続けている。

 安和の桟橋は琉球セメントがセメントの出荷などに使用するとして設置申請し、県が2016年10月に許可した。沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「あくまでセメント関係の出荷が目的で、土砂搬出は目的外使用だ」と指摘している。

 県は「資材などの搬出について限定した使い方は想定していない」として土砂の搬出を問題視していない。

 北上田さんは「公共の海を一企業が独占的に使用しているのだから許可条件は厳守すべきだ。県は、知事が県政の柱に掲げる新基地建設反対を実現するため何が使えるのか、との視点で動いてほしい」と注文した。

 桟橋建設時の17年1月、桟橋の安全祈願祭に出席した稲嶺進前名護市長は「辺野古への土砂搬出に使うという説明は当時、一切聞かなかった。そんな使われ方をすると分かっていたら、祈願祭には当然出席しなかった」と憤る。

 安和から辺野古へと基地建設のために大量の土砂が運ばれていることについて、稲嶺さんは「大浦湾の軟弱地盤の克服が困難なことは今の技術が証明している。(国は)アメリカに対する面目を保つためだけに工事を強行し、税金をどぶに捨て続けているようなものだ」と強く批判した。