タコライスで子どもたちを笑顔に! 「みらいチケット」で無料 県内32店が協力


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タコライスを食べる子どもたちを見守る山川宗德さん=1日、那覇市泉崎の「串焼きとだしカレー まかと」

 子どもの貧困や飢えをなくそうと、無料でタコライスを提供するプロジェクト「タコライスラバーズ」が1日、始まった。賛同者は沖縄県内32カ所の協力店でタコライスを食べる際、食事代に200~300円を上乗せして「みらいチケット」を購入する。チケットは各店の掲示板に張られ、子どもたちはチケットを使って無料でタコライスを食べられるという仕組みだ。

 タコライスラバーズ代表の山川宗德(やまがわむねのり)さん(39)=那覇市=はタコライス発祥の地、金武町の出身だ。共働きの両親は帰りが遅く、夕飯が足りないこともある「決して裕福ではない家庭」だった。そんな時に近くのパーラーでタコライスを買うと大人たちが優しく接してくれたという。

 山川さんは今年の春に警察官を退職するまで、お金のない子どもが空腹を満たすために菓子の万引をする事例を何度も見た。「非行の根源には貧困がある」と考え、有志と「タコライスラバーズ」を立ち上げた。みらいチケットの仕組みは奈良県の「げんきカレー」の先行事例に倣った。

 1日は山川さんが運営する放課後児童クラブの子どもたちもみらいチケットを使い、那覇市の「串焼きとだしカレー まかと」でタコライスを味わった。森田士朗さん(開南小学校1年)は「おいしかった。応援してもらってうれしい」と笑顔を見せた。

 山川さんは「この子たちが成長した時、大人から受けてきた愛情を次世代に注いでほしい」と期待した。まかとを経営する与儀守清さん(40)は「利益を考えず、沖縄の未来のために手伝いたい」と話した。

 協力店はタコライスラバーズのホームページに掲載している。県内全市町村に協力店を広げることを目指している。問い合わせは山川さん(電話)080(2697)1226。