「遺骨残る土、基地使用は冒涜だ」ガマフヤー具志堅さんが講話 八重瀬


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南部の土には多くの遺骨が残っていることを説明する具志堅隆松さん=11月28日、八重瀬町の中央公民館

 【八重瀬】沖縄防衛局が辺野古新基地建設工事の変更承認申請で、埋め立て用土砂の主な調達先を糸満市と八重瀬町としていることを受け、島ぐるみ八重瀬の会は11月28日、町中央公民館で、南部の土砂を使用させないための学習会を開いた。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんが講師を務めた。糸満、南風原、南城、豊見城の島ぐるみのメンバーらも参加し、約45人が南部からの土砂搬出反対への思いを新たにした。

 「遺骨が混じった土を軍事基地の埋め立てに使うのは戦没者への冒涜(ぼうとく)だ」。具志堅さんは、沖縄戦の歴史を振り返りつつ、南部にはいまもまだ多くの遺骨が眠っていることを強調した。

 採石場では岩盤を削り運搬するために重機や大型車両が使用される。長年、遺骨収集に取り組む具志堅さんでも「小さな骨は小石と見分けが付かない。重機ではなく手作業で掘らないと分からない」と説明した。その上で「沖縄防衛局の職員にも現場を見てほしい。遺骨が残る土を使用するのは人間の心を失っている」と強く非難した。

 南部の土砂使用を止めるためには県民だけでなく、本土の人にもこの現状を知ってもらうことが大事だと訴えた。

 参加者からは、土砂の採取場所などが記された「土砂に関する図書」の変更は玉城デニー知事の承認が必要として「知事が承認しなければ南部だけでなく県内全域の土砂は調達できない。知事が承認しないよう要請を強めよう」との意見も出た。