関西電力大飯原発3、4号機を巡り、国に原発設置許可の取り消しを求めた訴訟には、県内在住者も原告に加わっている。那覇市の中谷隆さん(71)は、4日の大阪地裁判決の言い渡しを法廷内で聞いた。画期的な勝訴に「提訴から8年半、原告の地道な運動が実った」と喜びの声を上げた。
大阪府出身で、もとは小学校の教員。子どもたちに社会問題を教える中で、原発に関心を抱くようになった。「重要なのに、話題にしづらい雰囲気が昔からあった」と振り返る。妻の両親は那覇市出身で、退職後の約6年前に移住した。
名護市辺野古の新基地建設に問題意識を持つようになり「原発も辺野古も構造は似ている」と感じる。「辺野古を巡る訴訟では県の訴えが門前払いになり、問題がたらい回しにされているが、今日は司法に住民の声が届いた」と話した。
東京電力福島第1原発の汚染水処理問題や、老朽化する各地の原発の再稼働問題など、課題は山積みだと感じている。「判決は活動している全国の仲間たちに力を与える」と前を見据えた。