艦船が海面を埋め尽くした米軍の上陸を現場で学ぶ 平和学習ガイド向け研修


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
船上から米軍の上陸地点となった海岸線や特攻艇秘匿壕などを初めて見学、研修した認定ガイドら=嘉手納町の比謝川河口

 【嘉手納】沖縄市観光物産振興協会(島袋隆会長)の認定ガイド12人が11月6日、嘉手納町の比謝川河口で平和学習のガイド研修をした。修学旅行生の受け入れに取り組んでいる同協会は、ガイドのスキル向上のため定期的に研修会を開いている。

 比謝川河口は1945年4月1日、沖縄戦で米軍が最初に上陸した海岸線の一つ。緑の丘陵に抱かれた地形は、現在は嘉手納漁港となっている。講師は同漁港を拠点に沖縄戦と平和を学ぶプログラムで修学旅行生を案内している団体のガイドが務めた。参加者はボートに乗り、米軍の上陸地点となった河口先端の砂浜や日本軍の特攻艇秘匿壕などの戦跡を見学した。

 米軍は日本軍の抵抗を全く受けず無血上陸したことや、米軍の艦船は海面を埋め尽くすほどの数で日米で軍事力に差があったこと、秘匿壕の掘削は朝鮮人の軍夫が動員されたなど、資料写真を見せながら解説した。

 同協会の認定ガイドが案内するポイントコースで、広大な米軍嘉手納基地を見渡せるビルも訪れた。認定ガイドの宮城仁さん(64)は「米軍上陸地点の研修は初めて。当時の様子を深く知ることができた。今後のガイドに生かしたい」と研修の意義を強調した。 (岸本健通信員)