辺野古、台船2隻で土砂陸揚げ 埋め立て加速する狙い 市民は反発「やりたい放題だ」


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スパット式台船の接岸で、ランプウェイ台船2隻が接岸できるようになったK9護岸=8日、名護市辺野古沖合

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は8日までに埋め立て現場北側のK9護岸にスパット台船を設置した。台船の設置により、土砂を積載・運搬するランプウェイ台船が従来の1隻から2隻まで接岸できるようになった。運搬作業の効率化を図り、辺野古側の埋め立てを加速する狙いがある。

 陸揚げ方式の変更で大気汚染物質の排出量が増加する懸念なども上がっている。

 県は、辺野古崎東側のK8護岸と、K9護岸からの海上搬入は当初の計画にはない係留機能だとし、工事中止を求める行政指導文書を送付するなどしてきた。一方、防衛局は問題ないとの認識を示している。

 8日午前中には、K9護岸を離岸したとみられるランプウェイ台船2隻が、K8護岸で土砂を陸揚げする様子が確認された。

 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議していた宜野座村の60代男性は、台船設置について「名護市安和からの土砂搬出量が、現場に投入する搬入量を上回っているための対応だろう。反対している人たちの諦めを狙っているのではないか」と語った。那覇市の長堂登志子さん(70)は「やりたい放題だ。絶対に許せない」と語気を強めた。