沖縄の幸福度わずかに上昇の全国45位 所得や正規雇用、待機児童率は47位で最下位


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 日本総合研究所(松岡斉理事長)がこのほどまとめた「2020年版都道府県幸福度ランキング」で、沖縄県は総合45位となった。合計特殊出生率や、外国人宿泊者数は全国1位、人口増加率は2位と上位にあるものの、1人当たり県民所得や正規雇用者比率、待機児童率は最下位の47位で、「仕事」の分野で低迷していることが浮き彫りになった。

 幸福度ランキングは、地域の幸福に資すると考える指標を同研究所が分析し、12年から2年に1度、発表している。

 沖縄県は12年の47位から下位ながらわずかに上昇した。特に海外渡航者率や留学生率が増加したことから文化分野が45位から21位に上がった。同研究所は「異文化交流が一層進んでいる」と分析している。

 一方で、仕事分野は若者完全失業率、高齢者有業率、大卒者進路未定者率などが最下位で、12年に比べても進展がみられない。

 同研究所は「上位で推移する事業所新設率(2位)や国際領域の強みを生かし、増え続ける人口と地理的な制約のもと、持続可能な社会システムの構築が強く求められている」と結論づけている。

 総合1位は福井県で、若者や女性を含めた雇用環境の良さで仕事分野が1位、学力や子どもの運動能力など教育分野も1位だった。2位は富山県、3位は東京都だった。