新良幸人、今年で30回目のライブに音色も熱く 下地イサムやBEGINらもゲスト出演


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
30回目の節目の公演でゲストを交え、多彩な楽曲でファンを魅了する新良幸人

 石垣島出身の唄者、新良幸人が、1991年から始め、今年で30回目の「一合瓶ライブ」をこのほど、那覇市の桜坂劇場で開いた。パーシャクラブのメンバーの“サンデー”こと仲宗根哲と八重山民謡を聴かせたほか、新良とともにユニットを組む下地イサムや、バンド「やちむん刺激茄子(なす)」、同島出身のバンド「BEGIN」が駆け付け、多彩な曲目で節目の舞台を祝った。ライブ配信も行った。 (田中芳)

 91年の慰霊の日に合わせて、毎年6月にゲストを招いて開催してきた「一合瓶ライブ」。今年は新型コロナウイルスの影響で、6月に「第29・5回」として無観客のライブ配信で開催し、11月に延期して開催した。感染防止対策で、観客の毎年恒例となっている泡盛飲み放題は、泡盛「白百合」の30回記念一合瓶ボトルを観客(成人限定)に配布した。

 幕開けはサンデー(太鼓)と「白保節」をゆったりと聴かせ、観客も一緒に口ずさんだ。今年一年を振り返った新良は観客と乾杯し合い、「せっかく30周年目なので私事をあなた事にしまして…」とつぶやいた後、「固み節」を歌い、優しい歌語りで観客の心を一瞬につかんだ。

ゲストにBEGINらを迎え「島人ぬ宝」をコラボレーションする新良幸人(前列左から3人目)=11月14日、那覇市の桜坂劇場

 やちむん刺激茄子や下地イサムも舞台に花を添えた。「開拓者」を力強く歌った下地は「本当に彼(幸人)はいろんな意味で開拓者。歌いながらジャズを三線で弾いて人を笑わせる人はなかなかいない。誰にもまねできない。生で見させてもらえるのは光栄でうれしい」と新良をねぎらった。

 後半、BEGINの比嘉栄昇、島袋優、上地等を迎えた。八重山高校時代の1学年後輩に当たるBEGINは、高校時代の思い出を語り合い観客を笑わせた。90年代初頭の曲を中心に演奏。新良やサンデーらと「島人ぬ宝」をにぎやかに演奏し、拍手に包まれる中、比嘉と新良がハグをして喜び合った。

 最後は新良とサンデーが「小浜節」や「浜千鳥」など8曲をじっくりと聴かせた。アンコールに、下地と島袋を迎えて「満天の星」を美しく演奏した。最後に「帰りながら聴いてね」と、新良がアイルランドの民謡「Danny Boy」をうちなーぐちで歌い次回のライブ開催を誓って名残惜しく締めくくった。