糸数陽、力尽くした大会新V 糸数加、失敗響き3位 全日本重量挙げ


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 重量挙げの全日本選手権・女子選手権が12日に新潟県であり、男子67キロ級で糸数陽一(豊見城高―日大出、警視庁)が3年ぶり6度目の優勝を飾った。女子49キロ級の糸数加奈子(豊見城高ー金沢学院大ー自衛隊体育学校)はトータル170キロで3位に入った。(古川峻)


糸数陽、力出し尽くす 試合内容には不満示す

男子67キロ級 リズム良く持ち上げてジャーク165キロを成功させる糸数陽一

 トータルと併せて大会新記録が懸かるジャーク3本目の165キロ。男子67キロ級の糸数陽一はバーベルの前で軽く息を吐き、リズムよく持ち上げて成功させた。バーベルを降ろすと後ろへとバランスを崩しかけるなど、力を出し尽くした様子だった。

 会見では「満足できる試合内容ではない」と口にした。自己最高は69キロ級で挙げたスナッチ137キロ、ジャーク171キロだが、今回は握りが甘くスナッチ135キロを2度失敗。61キロ級で出た昨年9月の世界選手権では成功させていた重さだ。「練習でもなかなか調子が上がらなかった。調整不足だった」と悔しそうだった。

 それでも久しぶりの実戦に「今の自分の実力を試す機会になった。試合感覚を磨けた」と開催に感謝する。コロナ自粛中にバーベルを触る機会が奪われ「ウエイトの素晴らしさ、好きだという気持ちを再確認した」と意欲は高まっている。

 来年は30歳。「一日一日が大事になってくる年齢だ」と覚悟をにじませる。「(コロナで)苦しい時期もあったけど、自分の可能性を信じて、もう一度見直したい」と来年3月のアジア選手権に向けて準備を始める。


糸数加 連覇ならず、2度の失敗響き3位

女子49キロ級 ジャーク3本目で94キロを成功させる糸数加奈子

 「連覇するぞ」という強い気持ちで挑んだ女子49キロ級の糸数加奈子だったが、結果はスナッチ76キロ、ジャーク94キロで3位。「思っていた結果を出せなかった」と悔やんだ。

 6本成功させた2位の選手とは2キロ差で、スナッチ、ジャークそれぞれで1回失敗したことが響いた。昨年11月の全日本レディース杯以来の大会で「緊張ではない。練習でも調子を上げてきていた。合わせきれなかったことが残念」と振り返った。

 次戦は5月の全日本選手権となる。練習ではスナッチ80キロ、ジャーク97キロを挙げている。「6本成功させて自己ベストを出したい」と意欲を示した。