ヤギを育てる技術本 40年以上研究の砂川琉大名誉教授 収益性の高いヤギ生産も


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠
ヤギの本をまとめた、琉球大名誉教授の砂川勝徳農学博士=11日、那覇市泉崎の琉球新報社

 琉球大名誉教授で、40年以上ヤギの研究をしている砂川勝徳農学博士がこのほど、「ヤギの科学と亜熱帯における大型ヤギの生産技術」を出版した。砂川氏は「ヤギ生産のノウハウが詰まっている。農家が困ったときに課題を解決できる本だ」と話した。

 栄養生理学や環境生理学などに基づき、ヤギの体や機能について学術的な考察が前半で示され、後半では収益性の高い大型ヤギを生産する技術を書いた。

 近年は枝肉の歩留まりが良く、収益性の高い大型ヤギを生産する農家が多いが、育成技術が高くなければ大きく成長しない。本では大型ヤギを生産するための飼料配合方法や、栄養障害にならないために気を付けるポイントなどを、写真と共に示している。

 長年言われてきた「ヤギ肉料理は血圧を上昇させる」という風評を打ち消した2014年の研究についても紹介している。

 砂川氏は「沖縄はヤギの先進地でありながら、生体の研究や生産技術がまとめられていなかった。ヤギは6次産業化の可能性がある。生産技術を農家の間で共有してほしい」と話した。

 価格は税込み4千円。県内の書店などで購入できる。郵送での販売も応じる。問い合わせは砂川氏(電話)090(6860)1693。