7年間で1600冊超を寄贈 那覇市の松田さん、名護の緑風学園へ


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠
届いたばかりの本を手に松田義之さんを囲む児童ら=3日、名護市の緑風学園

 【名護】名護市立小中一貫教育校、緑風学園(伊波和子校長)に、名護市汀間出身の松田義之さん(75)=那覇市=から3日、図書の寄贈があった。松田さんは2013年から毎年、図書を贈り続けている。今回の100冊を含め、これまでに1600冊を超えた。

 同校の図書室に設けられた「松田義之文庫」の前にはたくさんの児童生徒が集まる。今年も同文庫を利用した児童たちが北部地区の読書感想文・感想画コンクールで多数入選した。松田さんは「本をたくさん読み、心の健やかな人になってほしい」と子どもたちに期待を寄せた。

 図書贈呈の始まりは、那覇市立松島小校区で交通指導員を務めている時、子どもらが小脇に抱えているぼろぼろの本を見たのがきっかけだった。現在も同校と出身地の緑風学園への寄贈が続いている。

 図書購入の原資は毎朝4時からの新聞配達のアルバイト料。購入費は年間約50万円に達する。松田さんは「当初の目標は千冊だった。今度は2千冊を目指したい」と抱負を述べた。

 毎回、真新しい本の到着を子どもたちも楽しみにしている。3年の瀬名波陽菜さん(9)は「毎日でも借りて全部読みたい。読書感想文で入賞したい」と話した。伊波校長は「大先輩の松田さんは生徒たちにとって希望の光。子どもたちの成長の大きな糧になる」と感謝を伝えた。
 (嶺井政康通信員)